マーケティングとセールスに一貫性を持たせるためのRevOps戦略

マーケティングとセールスに一貫性を持たせるためのRevOps戦略

はじめに

マーケティングとセールスの連携がうまくいかない――

そんな課題を抱える企業は少なくありません。マーケティングはリードを集めてもセールスが「質が悪い」とこぼし、セールスは受注に苦戦してもマーケティングが「追客が甘い」と指摘する。よくある光景です。

この分断を解決するカギが、「RevOps(Revenue Operations)」という戦略的な枠組みです。

本記事では、RevOpsの本質と、それがいかにマーケティングとセールスの一貫性を生み出すかを解説します。

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RevOpsとは何か?

RevOps(レヴオプス)とは「Revenue Operations」の略で、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど収益に関わるすべての部門を横断的に統合する組織戦略です。

従来は部門ごとに最適化されていたプロセスやKPI、ツール、データを統一的に設計・運用することで、組織全体としての収益性を最大化することを目的とします


なぜ今RevOpsが必要なのか?

1. 顧客の購買行動が複雑化している

現代の顧客はWebで調べ、比較し、SNSで評判を確認しながら意思決定をします。マーケティング・セールス・CSの間を行き来する中で、一貫性のない対応は顧客体験の質を下げ、離脱を生みます

2. 部門ごとのKPI分断がボトルネックに

マーケティングは「MQL数」、セールスは「受注率」、CSは「チャーン率」など、個別最適な指標を追っていると全体最適を阻害します。RevOpsは、これらを「ARR成長」などの統一KPIに集約します。

3. SaaS型ビジネスの成長ドライバーとして

継続課金型のビジネスモデルでは、「売って終わり」ではなく、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための部門連携が不可欠です。RevOpsはその体制を根本から設計します。


RevOps戦略における3つの柱

1. プロセスの標準化と連携

マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスのプロセスを、顧客体験起点で再設計します。

たとえば:

  • MQLの定義を営業と合意して統一
  • セールスの追客基準とタイミングをCRM上で可視化
  • カスタマーサクセスへの引き継ぎテンプレートの作成

など、境界線をなくすルール設計が重要です。

2. データとツールの統合

ツールのサイロ化(MAはマーケだけ、SFAは営業だけ、CSはスプレッドシート)は大敵です。RevOpsでは、統合型CRM(例:HubSpot、Salesforce)やCDP、BIツールなどで全体をつなぎ、ひとつの顧客像を共有します。

また、KPIレポートも部門ごとではなく、ファネル全体を横断したスコアリングやアトリビューション分析を設計します。

3. 共通KPIとダッシュボードの設計

各部門が別の目標を追っていると、施策の整合性が崩れます。RevOpsでは以下のような共通目標とダッシュボードが整備されます:

指標

説明

CAC

顧客獲得単価

LTV/CAC比

獲得効率と長期収益のバランス

SQL→受注率

セールスの質と追客の健全性

NRR(純収益維持率)

サクセス部門によるアップセル・リテンション効果

これらを全体でモニタリングし、ボトルネックの部門を特定→連携強化という改善サイクルを回します。


RevOps導入ステップ(BtoB企業向け)

  1. 現状分析とファネルの可視化
    • 各部門のKPI・プロセス・ツールを棚卸し
    • 顧客の購買ジャーニーをマッピング
  2. 共通言語の定義
    • MQL, SQL, SALなどの基準を合意
    • 引き継ぎポイントやSLA(サービスレベル合意)の明文化
  3. システム・データの統合
    • MA/CRM/CSツールのAPI連携または一元化
    • データ品質管理(名寄せ、重複排除、更新ルール)
  4. 専任RevOps担当者の設置
    • 各部門を横断的に見れるポジションを設置
    • 日々のオペレーション改善やツール運用、レポート管理を担う

成功するためのポイント

  • 経営陣の巻き込み:RevOpsは単なるツール導入ではなく、組織の設計思想の転換。CEO、COOの理解と支援が不可欠。
  • 小さく始めて、拡張する:一部の事業部やプロダクトでのパイロット導入からスタートし、成功モデルを全社展開。
  • オペレーションだけで終わらせない:RevOpsは「運用」ではなく「戦略」。マーケと営業の“関係性”を変える試みである。

まとめ

マーケティングとセールスに一貫性を持たせ、組織全体で顧客体験と収益を最適化するには、RevOpsという視点が不可欠です。

分断された組織・データ・KPIを統合し、ひとつの成長エンジンとして機能させる。

それができるか否かが、今後の競争優位を左右します。

RevOpsは「新しい部門」ではなく、「新しい思考様式」です。

そして、それは今、あなたの組織にも必要とされているかもしれません。

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