PLG(Product-Led Growth)時代におけるマーケターの役割とは

PLG(Product-Led Growth)時代におけるマーケターの役割とは

はじめに

近年、SaaS業界を中心に「PLG(Product-Led Growth)」という成長戦略が注目を集めています。従来のように営業や広告が中心ではなく、“プロダクトそのもの”を成長の起点とするアプローチです。

PLGが進む中で、マーケターの役割も大きく変化しています。これまでのリード獲得やキャンペーン設計だけでなく、プロダクト体験・オンボーディング・ユーザー行動分析まで視野に入れた動きが求められているのです。

本記事では、PLG時代におけるマーケターの役割の変化と、実践すべきポイントについて解説します。

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PLG(Product-Led Growth)とは?

PLGとは、「プロダクト主導の成長戦略」を意味し、ユーザーが製品そのものを通じて価値を感じ、利用を広げていくモデルです。

特徴:

  • 無料プランやトライアルからユーザーが自走して利用を開始
  • セールスよりもUX(体験)やプロダクト価値が成長のドライバー
  • 社内のマーケ・営業・CS・プロダクトが横断的に連携する

PLGの代表例には、Slack、Notion、Dropbox、Figma などがあります。

PLGの台頭で変わるマーケターの役割

従来のBtoBマーケターの役割

  • リード獲得(広告、SEO、展示会など)
  • ナーチャリング(メール、ホワイトペーパーなど)
  • MQL(マーケティング有望顧客)の創出
  • 営業へのトスアップ

PLG時代のマーケターの役割

  • プロダクト体験の設計と促進
  • ユーザー行動データの分析と改善提案
  • オンボーディングやライフサイクルの設計
  • 無料ユーザーからの転換(フリーミアム→有料)を仕組み化
  • プロダクトマーケティングとの連携強化

つまり、「使われるための体験」→「続けたくなる仕組み」→「自然に広がる仕掛け」までを担うのがPLG型マーケターです。

PLG時代に求められる具体的なスキル・視点

1. プロダクトの価値を言語化・可視化する力

ユーザーは“使って初めて価値を理解する”ことが多いため、「最初の価値体験」まで最短で導く工夫が求められます。
オンボーディングやUI改善にマーケターが関与することも増えています。

2. ユーザー行動データの分析・活用

  • サインアップ後に離脱しているユーザーはどこで迷っているのか?
  • 機能Aを触った人はなぜ有料化しやすいのか?
    こうした分析を通じて、“ユーザーがプロダクトにハマるまで”を設計する視点が必要です。

3. コンテンツマーケティングの再定義

「集客のためのコンテンツ」だけでなく、

  • 活用方法を深掘りしたチュートリアル
  • 利用者のユースケース事例
  • オンボーディング支援のマイクロコンテンツ
    など、“ユーザーがプロダクトを使い続けるための情報”が価値を持ちます。

4. グロースチームとの連携・共創

プロダクトやCSと連携して施策をスピーディに回すグロースハック的な動きも増えています。マーケターはもはや「集客だけの担当」ではありません。

PLG型のマーケティングKPIとは?

従来のMQL数やクリック率ではなく、以下のような指標も重視されるようになっています:

従来の指標 PLG型で重視される指標
MQL(有望リード) PQL(Product Qualified Lead)
CTR / CVR 初回体験完了率(AHA moment)
リード数 アクティブユーザー数(WAU/MAU)
成約率 有料転換率(Free → Paid)

まとめ:マーケターは「価値体験の設計者」へ

PLGの時代において、マーケターは単なるリード獲得担当ではなく、
“プロダクト体験を起点にした顧客の成功”を設計する役割を担うようになっています。

  • ユーザーの行動から学び
  • 体験導線を設計し
  • 使われ続けるプロダクトに導く

それが、PLG時代のマーケターに求められる真の価値です。

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ここ数年のマーケの変化

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私は約10年ほどマーケの世界にいます。大企業やベンチャー、ToBやToC、メンバーから部長、CMOなど役職や所属企業も様々です。 元々変化の激しい領域ということは理解してますが、この数年は特にかもしれません。 コロナによりオフライン系の施策は停滞しました。以前からですがSNSなどの流行により、圧倒的にタッチポイントが増え予算分配など単体や少数のみを考慮すれば良い時代は終わったと言えます。以前からアトリビューションやMMMというような統合して分析をしようという概念は存在してました。どちらも当時は課題がありました。アトリビューションはwebのみでオフラインやアプリは対象外で、webに閉じた施策でした。MMMは広域に施策を統合した分析概念でしたが、当時は扱うことも難しく。ただタッチポイントが増え続けていることは事実で技術も進化を続け当時よりもより簡易に高度な分析を行うことができるようになりました。 このタイミングでマーケプランを最適な形に作り上げることを再チャレンジしてみませんか?当時難易度により解を出せず挫折した方は今の技術を目の当たりにしたら当時の構想が実現できる可能性があります。

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マーケのインハウス化を目指す上で

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